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先月、他に読んだ本

最近、書評のエントリーが多くなっているが、読んだ本すべてについて書評を書いているわけではない。先月は、たとえば、次の本を読んだ。

  まず、坂野潤治「未完の明治維新」(ちくま新書)。

未完の明治維新 (ちくま新書 650) 未完の明治維新 (ちくま新書 650)

著者:坂野 潤治

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著者は日本近代政治史の学者で、田原総一郎との対談等も出している人。大正~昭和前期の歴史家というイメージを勝手に持っていたのだが、本書は明治維新期(1864-1880)の政治の図式を扱っている。簡単に言うと、明治維新の構想は、4つほど異なったものがあった。それは、 

       
  • 強兵論(幕末は佐久間象山に始まり、西郷隆盛らに代表される)
  • 富国論(幕末は横井小楠に始まり、大久保利通らに代表される)   
  • 議会論(幕末は大久保忠寛に始まり、板垣退助らに代表される)   
  • 憲法制定論(木戸孝允らに代表される) 

の4勢力である。これらのせめぎ合いで明治維新期の政治は動く、というほど単純な説明ではないが、本書は、これらの4つの基本構想に基づいて幕末~明治初期の政治を整理しており、私にとって政治的な動向がやや分かりにくかった時期に対して良い見通しを与えてくれた。

 

もう一冊は、 小島毅「靖国史観」(ちくま新書)。

靖国史観―幕末維新という深淵 (ちくま新書 652) 靖国史観―幕末維新という深淵 (ちくま新書 652)

著者:小島 毅

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  本書も歴史学者の手によるものだが、とかく問題となりやすい靖国問題について、他の書物とは別の角度から、靖国神社とは元々な存在なのかを明らかにしている。具体的には、 

「国体」「英霊」「維新」 

という、靖国神社に関係する3つの語の意味を明らかにしながら、靖国神社がどういったものかを明らかにしている。新しく知ったことも多く、靖国神社について良い視点を提供してくれたように思う。(そういえば、本書でも触れている三土修平氏の靖国本(以前、大澤真幸氏が評価していた)は積読のままである。) 

これらについては書評を書く余裕がなかったのだが、良書と思ったので、記録としてここに載せておく。

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