« 先月、他に読んだ本 | トップページ | 日銀総裁人事 »

中島聡氏×海部美知氏 トーク

本日、第141回 八重洲ブックセンター特別講座:アスキー新書1周年記念として、   
中島聡氏と海部美知氏の トーク(&サイン会)に行ってきた(18:30~20:00、八重洲ブックセンター)。これは、アスキー新書から、両氏がそれぞれの以下の本を出したことを受けて開催されたもの(司会:アスキー遠藤氏) 。

 

パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54) パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)

著者:海部 美知
販売元:アスキー
Amazon.co.jpで詳細を確認する

おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書 55) おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書 55)

著者:中島 聡
販売元:アスキー
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 

この両書は、つい最近刊行されたもので、私も週末に買って持ってはいたのだが、買ったばかりで時間がなくまだ読んでいない。その段階で聞いた内容なので、不正確なところもあるかもしれないが、概要は次のとおりであった。    

中島() 日本企業をこうしなければいけないという議論は多いが、一番大事なのは個人。海和さんのいう「プチ変人」はいい言葉。S・ジョブス等の変人が許されているのは成功しているからだが、成功しているのは変人だから。こうした変人と普通の人との間にプチ変人がいる。それを大切にしてよい。   

海和() プチ変人の芽をつぶすようなものが日本にはある。逆に持ち上げるようにすべき。   

「普通こうしたことはしないものだ」というのは暴力。それに対して戦ってほしい。   

「ぬるい環境」があるとよい。シリコンバレーは巨大なぬるま湯。   

マイクロソフトもグーグルもエンジニアあっての会社。エンジニアは「神」。   

グーグル等では価値はエンジニアが生み出している。   

ところが日本のIT産業では価値のほとんどを営業が生み出している(接待等を通じて)。これではエンジニアは「神」にはなれない。「何で?」と思う。エンジニアになることは素晴らしいこと。エンジニアが細かいことを決めていき、それが最終的に製品になる。ここで売れるか売れないかの問題になる。エンジニアもビジネスを勉強することが必要。   

エンジニアとビジネスの両方が分かる人は少ない。   

司会 シリコンバレーでは知の流通が良いといわれるが、日本にはないか。   

日本では会社ごとにサイロになっている。アメリカでは会社に就職しても安心できないので、いろいろな人との繋がりが重要になる。   

会社は乗り物でしかない。シリコンバレーでは特に。   

司会 日本にいる人に「こうしてはどうか」というものがあれば。   

グーグルではエンジニアが仕事をするのに半径200メートル以内に食べ物が必要だ、としているが、(自分が最初に就職した)ホンダで聞いた話と似ている。日本だからダメということはないと思う。本田宗一郎らができたのは、戦後の混沌の中だったから。積極的に混沌をつくり、厳しいぬるま湯をあえて作るべき。議論の分かれることをやるべき。もちろん、自分に賛成してくれる人たちの力が強くないと難しいので、サポートシステムも同時に作ることが必要。   

物事を動かすのは肩書ではなく、人とのつながり。会社を作るとき何人の人が自分に付いてくるか、ということ。多分日本も今後そうなっていくと思うので、日本の中でも作っていくべき。   

<質疑応答(一部のみ)>   

日本の子供が学ぶべきことは?   

その子によって異なるが、つぶしの効くスキルとしての英語。   

日本語でやっていると相手が限られてしまう。英語でやらないと認められにくい。日本には世界クラスのプログラマが何人もいるが、日本語で書いている限りは世界に知られない。もったいない。   

(徳力氏(多分)) 今日からやってもらいたいことは?   

「継続は力なり」。価値あるものは継続してやるべし。   

いやだったらやめればよい。我慢するからいけないのかもしれない。戦うか逃げるか。 

 

会場はほぼいっぱいであった。質問も結構でた。終了後にサイン会が行われたのだが、会場にいたほとんどの人が会場を去らなかったのには少々驚いた。多くの人はサインの列に並び、あるいはサインをもらうための本を買おうとしていた。その他部屋に残った何人かはおそらく関係者や知り合いだろう。私は、この2冊を電車の中などで読もうと思って両方とも手元に持っていたのだが、サインをもらう趣味はあまりないし、また行列の長さに辟易したので、少数派?として会場をあとにした。お二人はさぞかしサインで手がお疲れのことだったであろう。 

この手の講演会は時々聞きにいくのだが、会場の様子からも分かるように、熱心に聞きにきた人が比較的多かったように思う。対談の内容自体は、知識としては(なんとなくのものも含めて)知っていたり、あるいは自分でも同様に考えていたりするものが結構あったのは確かで、その意味で、この対談に革新的な目新しさというものを感じたわけではない(もっとも、お二人のブログを(それほど熱心でないにせよ)読んでいるので、その影響は多々あることは認める)。しかし、日本の組織の内部で生息する人間を「元気づける」-つまりその内発的な何かに訴えかけるー対談であったことは間違いなく、著者たちの話を直接聞くことができて良かったと思っている。実は、これと似たような感覚は、以前聞いた、梅田望夫氏の講演を聞いた時にも感じた。おそらく、会場に来た人々は、彼らが彼の地から運んでくる「米国西海岸の空気」を求めて、彼らのブログを読み、今回刊行された本を読み、そして会場にやってきたのではないか。まあ、それだけ、今の日本の空気が息苦しいものの証左でもあるのかもしれないが。てなことをとりあえず感じた次第。

  両氏の著書(及び今回の対談内容)についての感想は、余裕があれば近いうちに書こうとと思っている。

|

« 先月、他に読んだ本 | トップページ | 日銀総裁人事 »

シンポジウム、トークショー等」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/422027/11185110

この記事へのトラックバック一覧です: 中島聡氏×海部美知氏 トーク:

« 先月、他に読んだ本 | トップページ | 日銀総裁人事 »