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書評:「すごい製造業」(中沢孝夫著、朝日新書)

すごい製造業 日本型競争力は不滅 (朝日新書 92) すごい製造業 日本型競争力は不滅 (朝日新書 92)

著者:中沢 孝夫
販売元:朝日新聞社
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[追記] 本書については、その後改めて書評を書きました(2008/3/7) → こちら

最近、本屋で何冊か本を買った時に目にとまったので衝動買いした本。だが、読み進めるなり、頭を抱えてしまった。 

筆者は、本書において、日本の製造業(特に中小企業)の現場の具体的な取り組み事例を多く取り上げ、日本のものづくりにおいて「優れた現場」が無数にあることを示し、それが増える限り我が国は心配ない、と主張している。 

個別事例を取り上げて論ずるのはよい。実際、日本の製造業のにおいて優れた現場があることに異論はない。しかし、そういった個別事象をいくつか見ただけで、そこからいきなり日本の製造業一般、さらには日本経済全般についての語ろうとしている筆者の書き方に対しては、牽強付会と言わざるを得ないし、少なくとも読者に対して説得力がないだろう。大体、日本の製造業の強さはこれまでも多くの人々によって論じられているが、にもかかわらず「失われた10年」は起き、日本経済は低迷し続けているのである。 

全体として、個別事例が書かれているほかは、論拠が十分に示されておらず、著者の「信念」の語りばかりが目につく本であった。もっとも、製造業の中小企業で働いている、あるいは働こうとしている人たちにとっては、大いに励みになる本かもしれないが。

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