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2007年9月

自民党総裁選

自民党総裁選は、福田康夫氏が党内国会議員からの支持要請を背景に出馬を表明、党内主要9派閥中8派閥(残り一つは麻生派)の支持を取り付け、優位に立っています。

マンガ好きで国民的支持もあるとされた麻生幹事長は、顰蹙モノの安倍辞任を事前に知りながら対応しなかったことを理由に、党内議員の支持が得られていない状況です。人気が低落した安倍政権の幹事長を引き受けた時点で、麻生さんの次の目は厳しくなったと思いましたが、このように支持が得られないのは、事情は理解できるとはいえ、意外でした。

とはいえ、党内の集権化が進む中、「勝ち馬に付」あるいは「バンドワゴン効果」というのは明らかに見られるようで、

福田氏圧勝の勢い、自民国会議員213人が支持明言

読売新聞社は、自民党総裁選(23日投開票)について、同党所属国会議員(387人)の支持動向調査を実施した。福田康夫・元官房長官(71)を支持すると明言した議員が213人で、麻生太郎幹事長(66)の45人を大きく上回った。

(2007年9月17日3時1分  読売新聞)

また、これを呼応するかのように、選挙民での支持も福田氏に。

読売新聞社は15、16の両日、自民党総裁選に関する緊急全国世論調査(電話方式)を実施した。Click here to find out more!
 福田康夫・元官房長官と麻生太郎幹事長の、どちらが総裁にふさわしいかでは、福田氏を挙げた人が58%にのぼり、麻生氏の22%を大きく上回った。自民支持層で見ると、福田氏61%、麻生氏27%だった。
 国会議員票で優位に立つ福田陣営に対し、麻生陣営は都道府県連の党員投票に期待しているが、国民の人気も福田氏の方が高かった。
 男女別では、男性は福田氏53%、麻生氏27%、女性は福田氏62%、麻生氏18%で、女性の福田氏支持が目立った。年代別、地域別でもすべて福田氏の方が多かったが、麻生氏の地元「九州」では、福田氏50%、麻生氏28%と他と比べて差は小さかった。

(2007年9月16日21時35分  読売新聞)

福田さんは、話を聞いていると本当にソツがありません。失言問題等で苦しみ、参議院選挙に大敗した安倍路線からの転換という意味でも相応しいといえるのでしょう、こうしたところが党内からの支持を集めている理由のようです。

とはいえ、総選挙で自民党が勝てるかどうか、という点は未知数です。特に国内政策、経済政策については、福田さん自身も十分詰めていないようで、誰にもよく分からないのが現状です。どのような路線をとるにせよ、それが与党支持回復につながるのかどうか。

国民の支持を得ていない内閣が二代続くということで総選挙を求める声がかなりありますし、それはもっともだろうと思います(こうした声が出てくるという傾向は、議院内閣制の趣旨から言って望ましいと思います)。この情勢だと多分総理になる福田さんも、話し合い解散の可能性について言及していますし、おそらく予算が通った後くらいに解散になる可能性がかなりあると思います。「溜池通信」でかんべいさんが指摘していましたが、本当にG8サミットが日本で開催される年は総選挙が行われるのですね。

福田内閣となれば、小沢民主党にとってもやりにくい相手でしょうが、長期的趨勢として自民党の支持率低下、民主党の支持率増加もあるので、国民の支持がどう動くのか、非常に注目です。(小沢民主党にとっては、まず空白区の候補者を至急立てるという作業が必要なんですが)。

とにかく、どの政党が勝つ負けるということも重要ですが、総選挙における民意が政治に反映されるという議院内閣制の定着(そのトレンドはあると思う)を臨みます。

 

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安倍総理辞任

今日はこのニュースばかりでしょ。とにかく驚きました。午後1時過ぎに辞任の意向という読売新聞のサイトにニュースが流れていて、すぐNHKを見たら、やはり辞任、2時に総理自身が記者会見との報道。その会見は見ましたが・・・。
 国会で所信表明をして2日後の辞任なんて常識的に考えてありえない。改造内閣を組閣してまだ2週間ですし。与党議員みなが本当に驚いていたくらいですから、みんな口あんぐりですよね。まあこのあたりは皆さん感想は同じでしょう。

安倍晋三首相が与党幹部に辞任の意向を伝えた。所信表明演説を終え、代表質問直前の辞意表明であり、与野党ともに「全く無責任だ」との強い批判が上がっている。
 野党側からは「この段階で辞めるのは無責任だ。辞めるのならもっと早く辞めるべきだ」(鳩山由紀夫民主党幹事長)、「放り出すのは無責任だ。参院選直後にやめるべきだ」(福島瑞穂・社民党党首)の声が出ている。
 また自民党の閣僚経験者は「続投自体に問題があった。政権は完全に行き詰まってしまい、政権を投げ出したとしかいいようがない」と語った。
 また中堅議員は「ポスト安倍で混乱するだろう。国政への影響ははかりしれない。国家の危機的な状況だ」と首相を批判している。
 (毎日新聞 2007年9月12日)

皆さん、「無責任」「ひどい」ということでは一致していますが、ちょっと気に入ったコメントは、これ。

霞が関「自爆テロのようなものだ」 首相辞意表明で

改造内閣スタート直後の首相の辞意表明に、霞が関にも驚きが走った。 (中略)厚労省の幹部は「『職を賭して』と発言しても『総理のために』という求心力は高まらず、これでは臨時国会も乗り切れないと気持ちが途絶 えてしまったのではないか」。別の幹部は「今のタイミングでやめるのは自爆テロのようなものだ。体調が優れないことが原因かもしれないが……」と語った。

Asahi.com 2007年09月12日14時29分

「自爆テロ」とは、突然思いもよらず自爆したのだから言い得て妙なという感じはしたのですが、でもテロで狙った対象って何だろうと思うと・・・。

理由としては健康問題があったということを与謝野官房長官は言っています。ニューステーションでも、先月のインド、マレーシア訪問あたりのころから体調がおかしいということを報じていました。インサイダーの歳川氏は、在インドの榎日本大使が谷内外務事務次官に「安倍総理の体調不良」の公電を極秘裏に打っていたと述べていました(本当かどうかは知らん)が、実際、最近体調はすぐれていなかったらしいです。

一方で、こんな記事も。

◇脱税疑惑、取材進む

 突然辞意を表明した安倍首相については、「週刊現代」が首相自身の政治団体を利用した「脱税疑惑」を追及する取材を進めていた。

  同編集部によると、安倍首相は父晋太郎氏の死亡に伴い、相続した財産を政治団体に寄付。相続税を免れた疑いがあるという。晋太郎氏は91年5月に死亡し、 遺産総額は25億円に上るとされていた。編集部は安倍首相サイドに質問状を送付し、12日午後2時が回答期限としており、15日発売号で掲載する予定だっ たという。

毎日新聞 2007年9月12日 東京夕刊

彼の叔父である西村正雄元興銀頭取は「大変残念なことだけれど、晋三は総理の器ではないのだろう」といったそうです(フォーサイト9月号)。折角、最近、上杉隆『官邸崩壊』を読んで面白いと思い、その感想でもここに書こうと思っていたのですが、こうして辞めてしまわれると、残念ながら、書く価値はあまりなくなってしまいました。

 後任は、総選挙に勝てそうな顔ということで麻生氏が有力と思っていましたが、今、ニュースステーションを見ていると、田勢氏は「何人かの有力者の話を聞いていると分からない」とのこと。
 同番組では、このほか、谷垣、福田、そして小泉等の名前が出ていました。麻生さんは有力ですが、党内では小派閥。福田康夫氏には派閥領袖クラス4人が党総裁選出馬を要請したとの報道されていました。また、かなりの数の中堅・若手議員から小泉前首相再登板を求める声が出たとのこと。やはり本人は断ったらしい。でも、田勢氏によると「やはり彼の性格からは受けない。しかし、彼の性格は分かりやすくて、みんなからアンコールを求められると、「ではもう一曲だけ」という人。」とのこと。谷垣氏は生出演していたが、「出馬表明するかどうか言うのはまだ早い」と述べていました。田勢氏は「国民の支持を得るのと同時に、党内で支持を得る必要がある。その両方を集められる人間は限られる」。
 これまでも大衆の多くの支持を集められる総理大臣を自民党がいつも出してきたわけではないのですが、党内で支持を集められれば自動的に総理大臣が約束された以前と異なり、選挙で国民を支持を集められる政治家が求められる現在、そのような政治家捜しで苦労している、といったところですね。

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対談「昭和を点検する」(半藤一利、保阪正康)

本日午後、新宿紀伊国屋ホールで行われた保阪正康と半藤一利の両氏による対談「昭和を点検する」を聞きにいった。年配の人たちが多かったが、若手の姿も結構見えた。

以下では、ひとまずのメモとして、対談の概要を以下に記したい。

【司会(講談社)】今日は、次の5つのキーワードで昭和につきお話いただく。
 1 世界の大勢
 2 この際だから
 3 ウチはウチ
 4 それはお前の仕事だろう
 5 仕方なかった
最後に、去る9月4日亡くなった瀬島龍三氏に対する評価についてお話いただきたい。

1 「世界の大勢」について
【保阪】 挙げていただいた5つの言葉はみな受身の言葉である。昭和期に使われる「世界の大勢」はトリッキー。1931年の満州事変以降にわが国で使われる「世界の大勢」とは、自分たちにとって都合のよい「世界の大勢」。

【半藤】 英語にしにくい日本語として「せめて」「いっそ」「どうせ」の3つがあると思っている。これらは日本的心情を表すよく出てくる言葉。今日は、これとは別の5つの言葉が出されたが、なるほどわかりやすい。黒船以降、日本は確かに外からの圧迫によりアクションを起こしてきた。その意味で「世界の大勢」はわかりやすい。

2 「この際だから」について
【保阪】 私が思い出すのは南部仏印。日本側は、これで米国が大きな制裁することはないだろうと考えていた(日本との戦争を意味するから)。日本では政策決定集団の中で互いに共鳴しあい、その中で期待・願望といった都合のよいものだけになり、現実から遠ざかっていくという特徴を持っているが、南部仏印をめぐるやりとりを見ていくと、この特徴がよく出ている。

【半藤】 自分も同じく南部仏印を思い浮かべる。補足として述べると、米軍にとっては対ドイツが最重要で、日付変更線の向こうに艦隊を送ることは考えていなかったし、当時戦争準備もしていなかった。それらを日本海軍も知っていたはず。これで確信をもって「この際だから」と思ったのだろうと思う。
 また、ポイント・オブ・ノーリターンとなった三国同盟を結んだ時、それにもともと反対してい海軍がなぜ短い間にそれを了承したかといえば、これも「この際だから」であった。この際だから、三国同盟を求める陸軍に借りを作って予算を確保する(そうした条件をつけた)という目論見があった(宇垣纏「戦藻録」序文による)。三国同盟でどういう事態がおこるかは議論になっていなかった。

【司会】 軍の話ばかりになっているが、政党はどうか。たとえば統帥権干犯問題。

【保阪】 当時は、政党間の争い激しい時期。政友会が軍と組んだ。そのひとつが統帥権干犯問題。民政党叩きに「この際だから」と政争の道具にしたと思う。
 また、昭和16年11月15日の政府・大本営連絡会議で終戦の腹案が出たが、そこで論じられれていることはすべて願望でしかない(たとえば米国で厭戦思想が出てきて終戦になる)。これはひとつにはわれわれの文化。腹案はいかにも作文で軍事的リアリズムを感じない。こんなものをを平気で作っている指導者は何だったんだろうか。本当に軍主導体制だったのか。「この際だから」ということで作ったものに過ぎないのではないか。

3 「ウチはウチ」と4 「それはお前の仕事だろう」について
【保阪】 「ウチはウチ」という言葉から思ったのは、兵舎化した国家。国家総力戦体制とは、国家を兵舎にするということ。昭和10年代にそれが顕著になった。

【半藤】 自分が「ウチはウチ」という言葉から思いうかべるのは、国際連盟脱退がマスコミが盛んに煽り立てたものであったこと(これに抗したのは石橋湛山等ごく一部のみ)。最初政府内では国際連盟とうまくやっていこうという雰囲気のほうが強かった。

【保阪】 トラウトマン交渉の際に中国側から示されたような世界観が、日本の関係者には全くなかった。
 また、昭和16年の日米交渉の際、日本の外交暗号(マジック)はすでに解読されていたが、このとき日本側のすべての電報を読んでいた陸軍の石井秋穂が、11月に送られてきた電報(米ウォーカ郵政長官が野村大使に言った言葉が書かれていた)から暗号が解読されていることを直感した。しかし、「まあいいか自分の仕事ではない、外務省の仕事だ」と思って、言うのをやめた。

【半藤】 米海軍ではニミッツ提督はキング提督のいうことにすべて従った。指揮系統が厳しく守られていた。他方、日本ではそのようなことはなかった。永野軍令部長に対して、山本五十六は「(永野は)なんだ、居眠りばかりしている」と批判。俺は俺だ、という姿勢だった。陸軍でも、ノモンハンのとき、作戦部長は当初関東軍にすべて任せていた(俺の仕事でない)。一方で、関東軍は俺は俺だと勝手に戦線を拡大。統制がまともにあって軍隊が厳正な存在になるのに、日本軍は俺は俺、それはあいつの仕事だ、というのが実態だった。外務省も同じ。野村吉三郎は、外務大臣だったときに親独派を左遷したため、省内で総スカンをくらった。彼が駐米大使になったときに、外務省の人間は言うことを聞かなかった。

5 「仕方がなかった」について 
【保阪】 「仕方がなかった」という言葉はみんなが言った。2・26事件のときも、真崎甚三郎は「こうなっては仕方がないだろう、青年将校の意見を容れろ」と発言。このように、既成事実ができあがったら仕方がない、そこから始まる、という発想がみなにあった。
 また、東京裁判での被告たちの発言を読むと、みな自らの思想から自己正当化するのでなく、「仕方がなかった」という論法であった。いかにも日本的である。私たちは何を問われているのか、状況追随でしかないのではないのか。

6 瀬島龍三氏の評価について
【半藤】 彼の同僚の話を聞くと、彼の作戦計画は完璧であった(しかし、悪口を言う人は、加えて、これほど戦場で役立たないものはない、といった)。事務官僚としてはこれほどの人はいないという人は多い。
 自分は瀬島氏に何回かインタビューしたが、聞きたいことが3つ残った(氏は最後まで否定し、きちん話してくれなかった)。
(1)捷1~4号。台湾沖海戦の戦果は誤りだったことが判明にしたにもかかわらず、作戦を変更したままルソン島→レイテ島にした(なお、瀬島氏は戦場に派遣されることになったが、病気(悪口を言う人は都合悪くなると瀬島氏は病気になるという)となったという理由で、全く作戦内容を知らない別の参謀が代理で現地に派遣された)。
(2)瀬島は昭和19年末から20年2月まで偽名を使ってモスクワに行った。この後に、彼が親しかった岡田啓介、迫水久常が主唱してソ連を通じた和平交渉が始まった。交渉は4月の鈴木内閣で本格化。瀬島のモスクワ行きはソ連政府の感触を探りにいったのではないか。
(3)終戦直後のソ連ジャリコーワとの交渉の内容。瀬島は日本兵をシベリアで労役させるとの密約を結んだと疑われた(私個人は密約まではなかったと思っているが)。

【保阪】 私も同じような疑問を持っている。瀬島氏には2日間、のべ計8時間のインタビューした(細かい具体的な点ばかりを質問)が、氏は本質には答えず、瑣末なことばかりよく話した。典型的な軍官僚だった(逆に現場を知らない)。信用できないという印象を受けた。氏の発言をよくみると、本人が亡くなった後にその人のことを話している。
 彼が亡くなった際、マスコミからの問い合わせに対してほとんどコメントをしなかったのは、話すと彼に悪口になってしまうので、失礼になると思ったから。ただ、我々、そして次の世代が歴史として検証していかなければいけない。

【半藤】 本題とは関係のない話題だが、最近出版された卜部日記を読むと、昭和天皇は2月26日と8月6日にはかならず部屋で御慎みになっていたことが書かれている。これをどう考えるか、面白いと思う。

以上。

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映画「Sicko」

今日夕方、渋谷にてマイケル・ムーア監督の映画「Sicko」を見た。米国の医療保険制度の問題を扱った作品。Yahoo! Japanからの引用だが、

ドキュメンタリー監督マイケル・ムーアが、4700万人の無保険者だけではなく、保険料を支払っている数百人にもマイナスの影響を及ぼすアメリカの医療シ ステムの実態を明らかにする。カナダ、イギリス、フランスを訪れ、国民全員が無料医療の恩恵を受ける国の事情を見つめながら、アメリカの混乱した医療制度 を浮き彫りにしていく。

米国の医療保険の問題点は認識はされていて、かつて(映画にも出てくるが)クリントン政権時にヒラリークリントン女史をヘッドに取り組んで失敗した経緯がある。この映画は無保険者の問題というよりも、医療保険に加入しているにも関わらず、保険会社が利益のために加入者に保険金を出すのを拒否し、このため多くの一般のアメリカ人が満足な治療を受けられない実態が中心に描かれている。そして、カナダ、英国、フランス、そしてキューバ(!)で、医療がほぼ無料でカバーされる国民皆保険制度を紹介し、それらの国が米国よりも平均寿命が長く、国民からの満足度が高いことを示している。

無論、こうした議論は一面的との批判は可能である。米国の医療技術が最高であるといわれており、他方で、皆保険制度は必然的に普段から国民の負担を増やす。社会的選択の問題である。

また、映画は、ニクソン、レーガン、ブッシュ親子と歴代の共和党政権、その他主として共和党の政治家を、現在の米国の制度(というよりは保険会社といったほうがよいか)をサポートする人間として描いている。他方、ヒラリーは肯定的に扱われている(ただし、改革挫折後は保険会社からの献金が多くなり、この問題に沈黙するようになったとしており、民主党なので明示的には批判しないものの、否定的なトーンを出しているといえる)。来年の大統領選挙を控えて選挙戦がすでに始まっている現状を捉えれば、明らかに選挙を意識した(ムーア流の反共和党)キャンペーンといえるだろう。

このような意味でこの映画が問題を公平に扱っている、と考えるのは早計であろう。

とはいえ、映画を見て、実際に保険会社から拒絶されるたくさんの人々の姿を見ると、やはり米国の医療保険制度が大きな問題を抱えているのは否定できない。ムーア映画が気に入らない人は気に入らないだろうが、映画監督としてムーアの一般大衆へこうした社会問題についてアピールする仕方は上手いと思う。正確な言い方は覚えていないが、映画の最後の方で、ムーア監督が「自分のこと(me)だけでなく、われわれ(we)を考えよう」というようなことを言っていたのが印象的である。

Yahoo! Japanのこの映画のコメント欄を見ると「アメリカのことを見て何か意味あるのか?」というコメントもあるが、おそらく意味は大きい。国民皆保険制度が何でもよいわけではないだろうし、米国の制度も医療保険制度の一つのあり方である。そうした選択肢のどちらがよいのか、ということは医療費が年々増加している日本にとっても大変重要な問題である。そうしたことの材料の一つ(あくまで一つだが)を提供してくれる、意味のある映画である。

ちなみに、こうした社会派的な映画であり、渋谷という土地柄ではあったが、(最近公開され多少は話題になっているということか)、客席は半分くらいは埋まっていた。これを多いと見るか、少ないと見るか。

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