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2007年6月

bk1での書評

実は、管理人は「烟霞(えんか)」の名で2003年にbk1に書評を何本か書いています。

吉崎達彦「アメリカの論理」
http://www.bk1.co.jp/product/2309826/review/201965
東浩紀・大澤真幸「自由を考える」
http://www.bk1.co.jp/product/2316114/review/204424
岩井克人「会社はこれからどうなるのか」
http://www.bk1.co.jp/product/2292140/review/206264

本サイトの名前も、この時に使った名前から来ています。「烟(えん)」は「煙(えん)」と同じで、けむりのこと。本ブログの名称は、単純にタイプしやすさから「煙霞余録」としましたが、上記の書評をしたときと名称を統一するため、本日より「烟霞余録」に変更することにします。

【追記】

上掲の書評は、4年前に書いた文章なので、今読むと恥ずかしい部分が多いですw。

一点付け加えたいのは、これらのうち、岩井本につけた★4つの評価は書いた当時から甘かったかなあと思っていたことです(少なくとも吉崎本、東/大澤本に★4つをつけるのであればもう少し低い評価であるべきでした)。他の評者を見ると、bk1でもamazonでも★5つをつけている人が多い等高評価が目立ちますが、分かりやすく、通俗的な理解をしている人には刺激を与える内容もあるので、そのような高い評価をつける人が多いのも頷けます。ある意味面白い本ではあるのは確かなのですが、当時から気になっていたのは、書かれているものが岩井先生の頭の中で作られた単純化されたモデルに留まっていて、現実の企業とそれを取り巻く環境を反映しているもののなのか、またそこで描かれた仮説が現実に当てはまるものなのかが書かれておらず、実証性に欠くことでした(この点は、書評でも触れてはあります)。そして、結論が、組織特殊的な人的資産を持つ法人実在説的な企業(そこでイメージするのはこれまでの日本型企業である)が肯定されたこともあり、なにやら日本型企業とそこに生きる人々に媚びた本であるという印象は拭えませんでした。ただし、当時席巻していた株主至上主義的な発想の緩衝材としては良いと思ったこともあり、★4つの評価を与えたのだろうと思います(他の評者もその点で本書に高い評価を与えたのかもしれません)。今、思うと、私自身も、若干の媚があったように思います。この点、田中・野口・若田部「エコノミスト・ミシュラン」やbewaadさんなどの本書に関する評価は的確ですね。

なお、私の書いた文章は、今読むと、紋切り型の理解や用語の使い方等から逃れられていません(恥w。今ならこのような文章は書きませんが、4年前は少なくとも今よりもかなり未熟だったということでしょう。

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トークショー「計算不可能性を設計する」

 勤務時間終了後、職場をそそくさ出て、神成淳司×宮台真司「『計算不可能性を設計する』刊行記念トークショー」@丸善丸の内店へ。やはり、というべきか、聴衆のほとんどは20代30代くらいの人たちで、会場はほぼ一杯。さすが宮台教祖といったところでしょうか。

 1時間半という比較的短い時間の中で、トークはあっちこっちの話題に飛ぶので、書籍の対談にあった主要な内容が網羅されていたわけではなかったように思います(もっとも、書籍の方もトーク同様にいろいろな話題に触れており、それを数日空けては少しずつ読んでいったので、自分がどこまで内容を把握しているか怪しいですw)。

 ネットでも中継されていたこともあり、たぶん誰かが詳しい内容は書いてくれるのでしょうが、自分なりに(「まとめ」と言いたいところですが、うまくまとめるほどの力もないので)勝手にかいつまんでいくつかの点を述べると、

  • 日本のIT業界は、現場を知らず、(ユーザとの)感情の前提の共有なしに情報システムを作ってしまっているため、出来上がったシステムはフィットしたものになっていない。みな儲からず、仕事場も3K化しているのが現状。
  • ITは人件費の高くすべてを人間がやることが不可能である日本のような国では不可欠であり、感情の前提の共有を増やすことは可能。
  • ユビキタスといわれるがは、アマゾンに見られるように、情報の遍在というよりも情報の偏在がおこり、人々の選択肢を減らしているが、こうした中で幸せをどう設計していくかが問題(教育の問題)。

といったところでしょうか。全体として第一点目に挙げた点についての話が多く、最後の点については、時間切れで、あまり触れることができなかったように思います。今後も、今回のように二人で対談される機会があるようなことを言っていたと思うので、続きはそこでということでしょう。

ちなみに、トーク終了後、急いで帰宅、トークで宮台氏も触れたNHKスペシャル「30代のうつ~会社で何が起きているのか~」を視聴しました。自分自身は幸いそのような状態に追い込まれたことはありませんが、自分の周囲でもうつになってしまった人を過去何人か見ており深刻な問題となっているので、興味を持ってみました。感想等は別の日に触れることがあるかもしれませんが、いったんうつになった人の職場復帰の大変さを考えると、当事者のみならず、企業、そして社会全体にとっても、大きなロスであることは間違いありません。一面的な解釈でしょうが、十分に開放的とは言えない日本社会(国全体、そして各企業)、流動性の低い労働市場、年功序列、デフレ、少子高齢化等々の様々な要因が、サービス残業という形だけでなく、うつという形で働く人々にしわ寄せを及ぼしている、ということもいえるのでしょうね。そして、そうした状況を強いてきた企業自身にとっても負担として現実に跳ね返ってきているということなのでしょう。

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ブログ開始

ココログでのブログを開始します。

管理人は、別のブログも開設しているのですが、書こうとしている内容は異質なものが多くなると思いますし、そちらではなかなか書けないことも書こうと思ったので、新しくここを開設しました。

タイトルにある「煙霞」とは、辞書で引くと分かるとおり、煙と霞のこと。転じて自然の風景のことを指し、「煙霞の痼疾(または煙霞痼疾)」(自然の風景を愛することが病みつきになっているさま、転じて、旅行好き)という言葉もあるようです。とはいうものの、ここでは管理人の徘徊する煙たなびく霞の地、くらいの意味で使っていて、書こうとしている内容はあまり自然の風景とは関係がありません。なお、「煙」とありますが、タバコとは無関係で、実際、管理人はタバコは全く吸いません。

当面は、気の赴くまま、記事をアップしていこうと思っています。

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